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ブックマークに溜まった怖い話を集約
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外法箱
725 :N.W ◆0r0atwEaSo :sage :2005/08/15(月) 00:23:59 (p)ID:d9Sk4sow0(9)
大学1年の春。
なじみのバイクショップのツーリングに参加した時の事。
今日の行先は奈良・大台ヶ原のちょっと手前にある小処温泉。
トップはベテランの滝さん。2番手をバイク歴2年目の健太が行く。
本人は一番手に行きたかったらしいが、団体の時は、ペースメーカーになれる人間が
先頭を走らないと、どえらい事になるから、却下されたらしい。




今日のメンバーは割に老頭児が多いので、行かせてやってもいいんじゃないかと
一応言ってみたが、『健太は熱くなるからダメ』と先輩諸氏に否決された。
俺は久々にトリ(最後尾)を行かせてもらう。
目的の山鳩の湯までは何度も行った事がある。当然、途中で休憩する所も全部わかって
いるから、多少ライン(車列)が切れたところで何にも心配ナシ。のんびりゆったり。
一方、健太は、市街地はおとなしく走っていたが、山間に入り、他の車輌が少なくなって
来たらもうどうにもガマンがならず、トップを抜いてさっさと行ってしまったらしい。
俺が最後に喫茶店へ入った時、奴さんはみんなから意見されている真っ最中だった。
「おまえな、団体の時は団体らしくしなきゃダメ」
「あー、だってかったるくて…」
「ばか。みんなで行ってる時にテメェ勝手に事故ったりしたら、周りに迷惑かかるって
事ぐらいわかんねェのか。」
「まったく、ヘビでも踏んだらどうすんだ」
「え、ヘビ?なんで?踏んじゃったよ?」
健太のあっけらかんとした一言に、ベテラン・中堅連中が固まる。
他所ではどうだか知らないが、ウチでは伝統的に、春の山でヘビを踏んだ奴は絶対に、
どうって事のない場所で転倒し、そのままバイクごと崖から転落する。単独、団体に
かかわらず、例外は無い。
そう聞かされても、健太は怖がることなく、反対にケラケラ笑っている。
「ウソだよ、そんなの。メェーシンだ」

726 :N.W ◆0r0atwEaSo :sage :2005/08/15(月) 00:24:58 (p)ID:d9Sk4sow0(9)
コーヒータイムも終り、再び俺たちは走り出した。
左手はダム湖へ続く川、右手は崖。この辺は道幅も広いし、タイヤをとられるような
路面の荒れもない。健太もおとなしく走っている。
緩やかな右カーブを抜けると、100メートル程の直線、そして大きな左カーブ。
先頭の滝さんが直線の中程まで来た時だ。突然、ラインから横倒しになったバイクと
人間が左へひゅっと飛出し、ガードレールの隙間からそのまますっと向うへ落ちた。
全車停止。一目散に駆けよる。
健太とバイクが並んで横たわっている。健太!と呼んでも動かない。
春の山道は崖から落ちた石が結構ある。東さんが手頃なのを一つ拾って健太にぶつけた。
生き・死にを確認する為だ。右太股に確認石をぶつけられた健太が動く。生きている。
“韋駄天”元木さんが、ダム湖そばの公衆電話へ向ってかっ飛んでいき、ショップの
マルちゃんは写真を何枚か撮った後、店へバイク回収用の車を取りに戻った。
用意周到なベテランたちの持ってきたロープでバイクは引上げられたが、健太は腰が
痛いというのでそのまま。
ヤツは、だいぶ大きなヘビを踏んだらしく、バイクは自爆事故とは思えないくらい
メチャクチャに壊れていた。

結局、健太は尾てい骨と右大腿骨他幾つかの骨折で入院、バイクは廃車。
「ばかやろう、ヘビを踏んだらとんでもねぇ目にあうぞ」
本人は今、若葉たちに一生懸命そう教えている。


727 :N.W ◆0r0atwEaSo :sage :2005/08/15(月) 00:25:51 (p)ID:d9Sk4sow0(9)
大学1年の夏。
8月に弟と山形への旅を決めたので、メンテナンスをしてもらおうと行きつけの
バイクショップへ顔を出した。
「こんちわーっス」決まりの挨拶をすると、店のマルちゃんとしゃべっていた人物が
くるりと振り返った。
「あー、ナイトぉさん。おひさデスッ!」
満面の笑顔で健太が迎えてくれた。
「俺は内藤さんじゃねぇってばよ」どうしてか、コイツが“Nightさん”と呼んで
くれると、誰がどう聞いても“内藤さん”に聞こえる。「もう、身体いいのか?」
この春、ショップから出掛けたツーリングで、健太はベテラン勢の言う事を聞かず、
一番の禁忌とされる蛇を踏んでのけ、挙句に崖下へ愛車共々転落して重症を負ったのだ。
「はい、先週退院して、一昨日ボルトも抜けました」
「夜風さん、参っちゃいますよー。健太、もう走ってんですよォ」
「ダイジョブですって。へたに歩ってるより、バイク乗ってる方が楽なんス」
困ったような顔のマルちゃんの横で、健太はけらけら笑っている。
「でね。うちの親が、あん時お世話になった皆さん、良かったらウチへ来てもらえって
言うんスよ。ちょうど、家改装してキレイになったんで、その祝いもするからって。
ウチ、香落渓の方なんスけど、どうスか?」
「そりゃ、嬉しいけど、大勢で押しかけちゃ迷惑だろうに」
「ウチ、田舎ですもん、10人や20人くらい平気です」
結局、連絡の着いたメンバーの中から、滝さんと東さんと元木さんと俺が、健太の実家へ
お邪魔する事になった。


728 :N.W ◆0r0atwEaSo :sage :2005/08/15(月) 00:26:31 (p)ID:d9Sk4sow0(9)
奈良・香落渓は三重県との県境にある曽爾村にある。
この辺りは室生火山郡の中にあって、ハイキング好きにとっては嬉しいコースが幾つも
あり、殊に、健太の家のある奥香落渓の方は、奇岩絶壁の名所がたくさんある。
俺たちが到着すると、早速ご両親が丁寧に深々と頭を下げ、お礼を申し述べて下さった。
滝さんが年の功で丁重に返答し、常識の少ない俺たちは、後ろで同じように頭を下げる。
それを健太が遮って、俺たちを家の中へ案内してくれた。
既に膳が用意され、料理や飲み物がぎっしりと、いったいこれだけの量を誰が食べるんだ?
と言う程並べられている。
そうそう酒の飲めない俺は、食う方に回るが、それでも腹には限りがある。ましてや
初対面の他人様の家で、あんまりな醜態を晒す訳には行かない。
途中でトイレに立った健太が、なにやら包みをひとつ持って戻って来た。
「ウチ、何にもねえと思ってたんスけど、これから蔵バラすのに開けてみたら、やっぱ
それなりに茶碗とか出て来て、一応全部母屋の方へ出してあるんスけどね…で、これ
1個、訳わかんないんスよ」
布包みの中には、白い紙にくるまれた、茶碗が入っていそうない大きさの箱が一つ
入っていた。
「この下が変わってるんス」と言いながら、健太が紙をやや乱暴な手つきでめくった。
その中には、真っ黒な紙でしっかりくるまれた上、赤い細い紐で十文字にきっちりと
結わえられた箱が入っていた。
「これ、俺がもらったんスけど、中身は親に聞いても、何だかわかんねえし知らないって
言うから」健太の親父さんは黙ったまま、うんうんとうなづいている。「滝さんとか、
こういうの詳しいって、前に誰か言ってたから、今日見てもらえりゃと思って…」
「まあ、見るくらいならいいよ。わかるかどうかは別だけど」
「お願いしまっス」健太が箱を滝さんに渡し、滝さんが赤い紐を解こうとした時だった。
いきなり、俺の携帯が最大音量で響き渡った。
「およっ!!」
その場の全員の手が止まった。


730 :N.W ◆0r0atwEaSo :sage :2005/08/15(月) 00:27:42 (p)ID:d9Sk4sow0(9)
一番驚いたのは俺だった。マナーモードに設定してあったはずなのに、なんで?
すいませんすいませんと謝りつつ、開始ボタンを押した。
とたんに、母の大声が飛び出して来た。
『ダメよッ!!その箱開けちゃダメッ!!』
その場の全員に聞こえる程の絶叫だった。耳が痛てェ。
みんなはさっきのポーズのまま固まっている。
もしもし、母さん。どう言う事?そう聞きたかったが、母の第2声の方が早かった。
『外法箱なの!触らないで包みなおして!!』
滝さんが思わず箱を畳の上に置いた。
『わかった?!ねえ、聞こえてるの?』
きぃいいい………んと耳鳴りがするのをこらえ、少しトーンの下がった母に声を返す。
「ああ、聞こえたよ。で、どうすりゃいい?ただ包んどきゃいいの?」
『白い紙で包んであったでしょう。それで元通りに包んで。それから盃か何か小さい
入れ物に塩を盛ってその上に置いてみて。最初は塩が溶けて流れるけど、そうね、
7回目くらいで溶けなくなるはずよ。そしたら最初の袋に入れて、お蔵に納めて。
後は私が何とかするから』
俺は母の最後の言葉を端折り、その指示をみんなに伝えた。滝さんが引き攣りながら、
箱を白い紙でくるみなおし、健太が台所から塩壷と盃を取って来る。
みんなが見守る中、塩は盛ったしりから飴のように溶けてしまった。
健太が慌てて替えの盃を取りに走る。
そして2回目。先程よりはゆっくりだったが、やっぱり塩は飴のように溶けた。
3回目…4回目…変化が現れたのは5回目だった。塩は半分溶けたが、半分は粒が
残っている。6回目は、湿ッ気ているが、ようやく溶けなくなった。
そして7回目。母の言った通り、塩は湿ッ気もせず、溶けなかった。
箱の入った包みを手にした健太が、泣きそうな顔で俺に言う。
「すんません、ナイトぉさん。一緒来てもらえないっスか?」
「いいよ」でも、内藤さんじゃねぇってば。



731 :N.W ◆0r0atwEaSo :sage :2005/08/15(月) 00:28:13 (p)ID:d9Sk4sow0(9)
夜が更けて、強い雨が降り出した。
雷も近い。
朝までに晴れて欲しいな。
そんな話を寝床の中でしていると、突然、何処からともなく、かすかなピシピシピシと
言う音が聞こえ、続いてドーン!!ともバーン!!とも取れる音が地響きと共にあった。
落雷か?きっとそうだ。
飛び起きて窓から外を見たが何も見えない。
相変わらず、雨脚が強い。諦めて眠りに就いた。

朝になって、俺たちは雷が蔵に落ちていた事を知った。
蔵は外側だけを残し、中はすっかりきれいに焼けて、屋根すらなくなっていた。
偶然、ねえ…きっとそうだよな、うん。
みんなで無理やり納得し、香落渓を後にした。
強い雨に洗われて、道路も山も輝いて見えた朝だった。

735 :本当にあった怖い名無し :sage :2005/08/15(月) 00:48:25 ID:ogMXud6/0
なんで母はN.Wさんが箱を開けようとしているのが分かったんだろう…


736 :N.W ◆0r0atwEaSo :sage :2005/08/15(月) 00:52:28 (p)ID:d9Sk4sow0(9)
>>735さんへ

うちの母親は、半端でなく霊感強いんです。本当に。

738 :本当にあった怖い名無し :sage :2005/08/15(月) 01:03:50 (p)ID:RUPamqsE0(2)
N.Wさん、乙です。

外法箱って何ですか?
>>738さんへ


739 :N.W ◆0r0atwEaSo :sage :2005/08/15(月) 01:07:21 (p)ID:d9Sk4sow0(9)

呪詛などに使用する為の、道具や精霊を納めた箱だと聞いています。
この時は中身を見てないのでわかりません。


http://2ch-kowai.seesaa.net/article/144848957.html
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